日日是好日

 ぽかぽか陽気の土曜日。久々に美容院に行って、髪スッキリ。いつも新しいことをいろいろ教えてくださる 美容師さんに勧められ、ブログを始めてみることにしました。書きたいことがいろいろあることに、ふと気づいたからです。

 

 記念すべき第1回ブログで書きたいことは先日見た映画のこと。

 年に数回の平日休み、そして小学生の子供たちは学校!一人で自由になる時間がうれしくて、朝一番の回に行ってみてきました。「日日是好日」という映画です。

 実は、1年ほど前に森下典子さんの同名エッセイを読んでいました。茶道を始めた女子大生のころから、40代になるまでの実際の体験を静かにつづった作品です。 

 これがものすごくよかった。私自身の若いころ、お茶を始めたばかりのときのことをじんわり思い出し、なんだか気恥ずかしいような、「ああ、そうだったなあ」と懐かしい場面がたくさんありました。

 特に、樹木希林さんの「先生」が素晴らしい。お茶を始めた黒木華さんと多部未華子さんが「どうして?」「なぜここでこうするんですか?」といちいち尋ねるのを、

「なんでって・・・そういうもんなのよ、そうなの。」と返すのです。これが私の先生もまさにそうだったのです。

「頭で考えてはだめ。動いていれば自然に手が覚えます。」

 お茶の世界ってそうでした。私もついつい「次は・・・」と考えて手を止めては、目で先生が示すところを探していたけれど、十年たったころには自然に流れるように動いていたなあ、と。

 結婚や出産で茶道教室から物理的にも精神的にも離れてしまっていたことが、突然ものすごく悲しくなって、映画見ながら涙が止まらなくなりました。

 その夜、勢いでお茶の先生にお手紙を書き、届いたころを見計らってお電話し、先週末先生のところへ行ってしまいました。もう92歳の先生ですが、先生も茶室もお庭も、何も変わらない姿で迎えてくださいました。日ごろの無礼を心からお詫びしつつ、少しずつまたお稽古に来たいとお伝えしました。やっぱりお茶の世界に関わっていたい。

 これからどのくらいの頻度で行けるかわからないけれど、細く長く、お茶と付き合っていこうと思います。

 忘れかけていた素敵な世界を思い出させてくれたこの映画、茶道を全く知らない方にもぜひ見てほしいなあ。